会の趣旨 

当研究会について 

当研究会は、シックハウス症候群やヒートショック等、住宅に関係すると言われる健康被害を対象に、空気質や温熱環境に関する調査・分析を行い、「住宅が健康に与える影響等に関する知見」を蓄積するとともに、それを活用することにより、国民合意可能な「安全・安心で快適な住宅」の供給に向けた仕組みを構築すること目的として発足しました。

近年、「建築物衛生法」や「建築基準法」にシックハウスに配慮した措置が盛り込まれる等、住宅が健康に与える影響については社会的な関心が高まってきております。

しかしながら、その一方で、住宅と健康被害の因果関係については研究による知見が不十分であり、住宅を建築・購入する人の健康状態や体質に応じた選択肢が十分に用意されていないという課題も明らかになってきております。

当研究会は、こうした課題に対応するため、建築・医学に関する専門家や有識者が、分野の垣根を越えて研究等の事業を行う画期的なプロジェクトです。

「安全な住環境」をキーワードに、より良い住環境を追求し続けます。

研究リーダー推薦文 

「建築学と医学の交流から新たな境地の創造を」

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健康・衛生と建物との関係は古くから研究の対象とされてきた。
医学では公衆衛生学が、建築学では環境工学や衛生工学が、こうした分野の研究を担ってきた。
我々現代人は、その成果を、上下水道、給湯、暖房、換気などの都市・建築設備において見ることができる。

このような都市・建築設備の発展によって、我々の生活はどれだけ衛生的になり、寿命がどれだけ伸びたことであろうか。

しかし、住まいや建築における健康や衛生の問題が十分に解明され、完全に解決されているかと言えば、必ずしもそうではない。

近年のシックハウス問題の発生は、このことが真実であることを示す一例であろう。
建築学も医学もこの問題の発生を予測できず、被害者が続出してから原因解明と対策に動き出した。

現在、シックハウス問題は数こそ減ったが、根絶されたわけではないし、アレルギー疾患や脳卒中など、住宅の構造・仕様と因果関係がありそうな健康や病気も激減しているとは言えない。
しかしながら、建物と健康の問題は単純ではない。健康と言ったとたんに個人差が問題になる。

これからは、こうした個人差を反映した建物や設備が必要になるのかもしれない。

20世紀の科学・学問は高度に発展したため、専門性が極端になり、学問間や分野間の相互交流が減少した。
21世紀においては、我々はこのような状況を反省しつつ、学問間の交流・協力から新たな境地を創造することも必要であると考えている。

「安全な住環境に関する研究会」はこのような視点から非常に意義深いものであり、21世紀型の実践的な研究の一つとして支援していきたい。