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「医療法人夕張希望の杜」に暖かい冬をプレゼントしよう!
私たちは、このアンケート調査への協力を依頼する活動の中で夕張市も訪問したのですが、その際に、「夕張希望の杜」の病棟とは思えぬ低断熱性から生じる患者さんの健康への悪影響を目の当りにし、また、その財政的窮状についても詳しくお話をお聞きして大きなショックを受けました。
そこで、「研究会」としては会の設立趣旨からしてもこれは看過すべきでないと判断して種々の対策の検討に入りました。そしてその結果、温熱環境改善には「窓の高断熱化」が最も簡単でかつ経済的な対策であり、しかも対策後に患者さんの病室での生活環境の改善が期待できるのみならず光熱費の削減にも繋がって「夕張希望の杜」の経営改善に大きく寄与できるとの結論に達したのです。しかし当然のことながら「窓の高断熱化」の推進には一定の資金が必要です。「夕張希望の杜」の病棟全体の断熱化に不可欠な高断熱窓(樹脂サッシ+複層ガラスの内窓)を全面的に採用するには樹脂サッシメ-カ-の多大の協力を頂戴しても、合計65の内窓全てを取り付けるのには約600万円の資金が必要であることがわかりました。
この資金の調達について、あれこれ考えたすえ、皆様に募金をお願いし、そこで得られた資金を活用することによって一日も早く的確な対策が講じられるように持っていこうではないかというところに結論が落ち着いたのです。つきましては、以上述べました経緯と趣旨をご理解いただき、募金の呼びかけに絶大なご支援・ご協力を賜りますよう心からお願いするものであります。
私たちのこうした考えが実現しますと、以下のような成果があげられると思われます。すなわち、
① 入院患者の皆さんが、寒さがことのほか身に沁みる冬場でも快適に過せるようになること。
② 65の内窓を取り付ければ、約400万円/年の光熱費削減効果が上げられる見込みにあること。
③ 「夕張希望の杜」の村上医師のご協力で病院建屋の温熱環境変化に伴う患者さんの血圧を始めとする医学的データの変化が詳細かつ正確に検証できるようになること。
④ 「夕張希望の杜」の窓際の病床が冬でも使用できることで患者さんをより多く受け入れられるようになり、地域の皆さんの健康維持・増進に一層の貢献ができそうなこと。
の4点です。
募金要領は以下の通りです。
募金の呼びかけに、ご支援・ご協力をお願い致します。
募金要領
1. 目標金額:600万円(1口 1万円)
2. 「ふるさと納税」を希望しない場合の振込口座:
夕張医療センター断熱工事特別会計
医)夕張希望の杜 理事長 村上智彦
北洋銀行 夕張支店 (普通)3119049
3. 「ふるさと納税」を希望する場合:別添の書式にてお申し込み下さい。
自動的に断熱工事特別会計に入金されます。
4. 募集期間:平成21年3月5日以降
5. 内窓設置時期:「安全な住環境に関する研究会」が目標募金金額に達する目処が立ったと判断し次第、発注。同会、ホームページに記載します。
6. 成果公表:①省エネ効果の検証結果②温熱環境と健康状況の調査結果は同会ホームページに記載する等の方法で公表します。
何卒ご協力いただけますよう宜しくお願い申上げます。
皆様がよくご存知のように夕張市は平成19 年4 月に財政再建団体となり、これに伴って、かねてから採算割れが続いていた夕張市立総合病院を有床の診療所「夕張医療センター」として公設民営方式で維持していく方針を決定致しました。そして、その決定を受けて、医療法人財団「夕張希望の杜」が指定管理者として平成19 年4 月1 日より夕張市立診療所(ベッド数19床)を運営していくことになりました。また同財団は、同年7月から介護老人保健施設「夕張」(入居可能数40人)を、さらに同年12月からは介護予防通所リハビリテーションをそれぞれ併設して運営してもいます。
ところが、これまで夕張市より援助されていた約5000万円/年の光熱費が同市財政の悪化により支給されなくなり、先般、鳩山総務大臣が視察された結果、通常の病院で必要とされる光熱費、約2500万円/年については国からの補助金が支給される運びとなったものの、それでもなお2500万円の費用が不足となっています。
では、通常の病院だと2500万円程度ですむ光熱費が「夕張医療センター」では何故2倍もの額になるのでしょうか?その背景を簡単に紹介すると以下のようになります。
旧「夕張市総合病院」は、かつては同じ地元の夕張炭田で採掘された石炭を格安で入手することが可能だったため、それを暖房に当てることで厳しい冬場も何とか凌いでこれました。しかしそのため建物自体の断熱性能の向上に対する配慮が著しく欠ける結果となり、病棟全体の断熱性能は極めて劣悪な状態のままきたのです。建物全体の最大の開口部である窓も、基本的にはアルミサッシに窓ガラス1-2枚という極寒の北海道では考えられない構造で年月を経て参りました。その結果、鉱山が閉鎖されて安価な石炭を入手できなくなった現在は、急膨張した暖房費の確保に文字通りの塗炭の苦しみを味わう状況となっているのです。
こうした中での最大の問題は、外気温がマイナス20度程度となる夕張の冬場には患者さんが入院している病室の内側に結露が凍りつき、「センターに入院すると風邪を引く」と言われるほどの深刻な健康障害問題が生じている点です。
事態を見かねた「日本フクソ-ガラス」が、病院に合計30基の樹脂サッシ+複層ガラスの内窓を贈呈し、患者さんや病院関係者から大いに感謝されました。
しかし、全ての入院患者さんが厳しい冬を無事に乗り切るには、既に縮小された現在の病棟に、更に最低65 基の内窓の設置が必要とされています。
しかしながら、その課題をクリアするのは容易でありません。前述のように新生・夕張医療センターの運営は「夕張希望の杜」が担当しており、病棟の断熱化すなわち全ての窓の樹脂サッシ化も同財団の最重要テーマとなっています。しかし同財団は、いま大変な難問に直面しているのです。その実情について同財団の佐藤事務局長は、次の様に述べています。
「いま医学界に最も強く求められているのは、人々が各地域での暮らしの中で自らの健康を意識し、予防に配慮した健康的なライフスタイルを確立するのを強力に支援していくことです。
最近の学会では、多くの人々が抱える高血圧・糖尿病等の慢性疾患は、ライフスタイルの改善によって薬物治療と同等の効果が得られることが報告されています。こうしたライフスタイルの改善や、無意味な多剤投与を適正化すること、さらには福祉と連携して不要な入院を極力減らすことなどを通じて医療費を適正化することは十分可能となりましょう。
高齢化が進行し、独居高齢者が増加していく中、住み慣れた地域で平穏に暮らし続けるには、在宅福祉・医療サービスの充実は必須の条件と言えます。「夕張希望の杜」の活動はこの意味で先駆的モデルであり、この改革を頓挫させることなく遂行することが地域の医療・福祉を守ることにつながるものと確信しています。
ところが、前述した医療費の削減や、住み慣れた自宅で穏やかに生命を全うすることを支える訪問診療・訪問看護等の在宅医療サービスの取り組み、さらにはこれらを一体として運用する介護老人保健施設や通所リハビリサービスの運用が、売上(医業収入等)の12.5%に達する夕張医療センターの水道光熱費の拡大によって安定的・持続的に維持できない状況になっています。原因は、病棟全体が断熱化されないまま老朽化していることによる光熱費の膨脹にあります。本来であれば、指定管理者制度に基づく公設民営の枠組みの中で夕張市が建物・施設の改善・改修に責任を負うべきです。しかし、抜本的な施設の改修は現在の市の財政状態から事実上不可能と言わざるを得ません。また、「夕張希望の杜」の財務状態では自助努力に限界があり、いまや八方塞がりの状態に追い込まれているのです」。
一方、断熱工事実施の必要性と意義については、「夕張希望の杜」理事長の村上智彦医師が次の様に述べています。
1、 旧夕張市立総合病院に見る寒冷地の自治体立病院の問題
夕張市立総合病院の建物は昭和48 年頃に建てられたもので、途中改修工事は行ってはいるものの、入院患者さん達にはおよそ快適とは言えない環境です。
断熱が不十分な分をボイラーの強化による暖房でカバーしてきた結果、年間7 千万円前後の維持管理費がかかっていました。
この経費も病院の経営破綻には関係しており、公設民営化した現在においても事業を継続していく上で問題となっています。
病室はアルミサッシ、ペアガラスにはなっていましたが、冬になると結露が凍りつき、窓に近づくと対流により生じる風にさらされる始末でした。このため病室のベッドは、冬期間になると窓際から離して、2 人部屋を1 人にして、あるいは4 人部屋を2 人にして使ってきたのです。
総合病院時代の冬の記憶で、冬期間の夜になると暖房が弱められるため、暖かい室内温度にならされた北海道の「寒がり」な高齢者は、厚着をして布団の上に毛布を敷くのが普通の風景でした。
高齢者の最後の砦である公的医療機関としては、温熱環境の劣悪さは非常に問題でした。
このようなことは、極めて特異的な事例のように感じられるかも知れませんが、北海道の自治体立病院においては、一般的な事例と言えます。
2、 夕張医療センター
夕張市は旧夕張市立総合病院を公設民営化し、171 床の病床を19 床の診療所と40 床の老人保健施設にして夕張医療センターとして再出発しました。
暖房光熱費は効率化や節約により年間5 千万円程度まで減らす事が出来ましたが、医療・福祉機関なので、入院や入所者を迎える上では節約にも限界があります。
こうした中で一昨年、日本フクソーガラス様の御厚意で高断熱樹脂サッシを導入しました。
その結果、暖房費は減り、何より病室が窓際まで使えるようになり、患者さんからの苦情も殆ど無くなりました。病室の集約化や使わない部分の遮蔽、断熱対策未実施の窓にはDIY的に断熱ボードの使用なども併用した結果、総合病院時代に比べて快適に過ごせる様になりました。
3、 寒暖差が健康に与える影響
北海道の住宅は断熱が良く温度差が比較的少ないのですが、それでもトイレや風呂場といった部分はかなり寒く感じられます。
急激な温度変化は血圧の変動を生み、ストレスを与え、結果として脳卒中や心筋梗塞のリスクを高める事が知られています。寒い環境は当然感染症のリスクを高め、血流の低下が痛みの原因となる事が予想されます。
北海道旭川市では以前はトイレでの脳卒中や心筋梗塞が多くて問題でしたが、市がトイレの暖房器具に対して助成した結果、その様な事故が激減した例があります。
夕張医療センターも風呂場が寒く、冬になると職員は入浴時間にシャワーを出しっぱなしにしてその蒸気で室温を維持したため、莫大な水道代や暖房費がかかっていました。
昨年になり日本フクソーガラス様が樹脂サッシを入れてくれたため、暖かく快適な入浴が可能になっています。
日本の風呂場では年間5 千人近い人が入浴中に倒れています。北海道より断熱が行き届いていない寒冷地の本州の家では、当然温度差に伴う風呂場やトイレの事故がかなり起こっている事が予想されます。
今後当センターが断熱化を進めるにあたり、施設内や在宅における温度差と血圧やその他の影響を調べることで住宅の温度変化が健康に与える影響を示すデータを収集し、医療経済的な視点で解析することによって、今後の住宅の断熱にかけるべき費用の根拠とすることが予想されます。
四季が存在し、温度変化が激しい日本では高齢化が進み、今後医療費の増大が国の経済にも影響してくることが予想されています。(現在30 兆の医療費が30 年後に60 兆になると試算されています)
医療機関の充実に予算をかける事より、予防医療の一環として生活習慣の見直しと生活環境の見直しが必要になってきます。
残念ながら日本では住宅の温熱環境にはまだ目が行っていない事から、今回の我々の取り組みは非常に意味があるものだと考えています。
4、 まとめ
我々の試みは現在の老朽化した施設の改修が、暖房光熱費をどの程度節約し、入所者のQOL(生活の質)を高め、医療経済的に意味があるかを解析する事にあります。
幸い訪問診療・訪問看護等の在宅医療の提供が、月平均100 件を超えている事から、自宅へ帰ってからの状況も追う事が出来ます。
夕張市には比較的新しい住宅から、昭和30 年代の老朽化した住宅まで様々なタイプの住宅が存在しています。このため断熱や室内温度差とのバイタルサインやストレス度数、QOL指数を求めて医療経済的な評価やリスクの評価が可能です。
体重が3kg 増加すると血圧は8mmHg 上昇するといった事は解っていますが、普段の生活環境で温度が下がると血圧はどの程度上がるかは評価されておらず、特に高齢者への影響は定量的に解析されていません。
幸い夕張では温度以外の要因についても、同じ地域で信頼関係があり、継続的に訪問していることからある程度標準化する事が可能です。
生活環境の問題は食物や自然環境ばかりではなく、住宅環境も過ごす時間を考えると大きなウエイトを占めており、今後の日本の高齢化においては大切な視点になると考えられます。
以上
何卒ご協力いただけますよう宜しくお願い申上げます。
